HAT Lab HAT Lab リクルートマネジメントソリューションズ

HR領域で働くエンジニアが思うこと

はじめまして、HAT Lab 兼 HRプラットフォーム開発Gの宮崎です。

電機メーカーの研究所で研究員を数年前まで経験した後、リクルートマネジメントソリューションズ(RMS)にジョインしました。今は、新規事業・サービスの開発に携わっています。これまでに、iPadを活用した研修サービスや、スマホ上で日々の経験を通じて学びを支援するモバイルラーニングサービスといった、従来の集合型研修とは異なるサービスを作ってきました。

現在いわゆる内製開発を進めており、単に仕様通りにシステムを作るというのではなく、新規事業・サービスの企画段階から議論に参加し、機能を提案したり、プロトタイピングによって実現可能性や効果などを確認したり、実サービスとして運用を構築したりなど、サービス全体を見ながらシステム開発を行っています。

今回は、当初内製でシステム開発をした経験がない環境で、自社でシステムを開発してリリースできるようになるまでの私の経験を通じて、大事だなと思っていること、意識しておいた方がよいなと思っていること、4つのポイントを書いてみようと思います。

人や組織について興味をもつ

エンジニアやデザイナーのなかには、技術やデザインを極められればよいという人もいると思いますが、私は、技術やデザインは「何のために使うのか」も重要であり、適用領域、サービスについて最低限の知識をもつ、興味をもつというのはとても大切だと考えています。

HR領域(人や組織、人事や教育といった領域)では、心理学、社会学にでてくるような馴染みのない言葉や概念的な話が多いし、人や組織は捉えどころがない対象ではあります。ですが、ユーザの立場に立ち、「実際サービスを使う人が何を課題にもち、どんな風に学んでくれるとよいのか」「組織が現状どうなっていて、どんな風に変化していくとうれしいのか」などに興味をもち、それに必要な技術やデザインは何かを考えていくと、楽しく価値のある開発を行えると思います。

もちろんHR領域の専門家ではないので、専門家の方と同等の知識や経験をもつ必要はないですが、少なくともそういう方々がどんな考えや思いで仕事をしているのか、どういうビジネスをしているのかを理解しておく必要はあると思います。

これまでのメーカーの世界から、HR領域に飛び込んでみて、最初戸惑いはありましたが、人や組織の奥深さ・難しさを感じたり、人が成長することの喜びを感じたりするのは面白く、日々発見があります。

自ら関わっていく

近年HRTechというキーワードがでてきますが、HR領域へのITの活用はまだ始まったばかりです。サービス開発はプロジェクト体制で行われますが、ITのことがわからない人と一緒に仕事をすることが多く、技術やデザインによってなにができるのか、どのようなレベルのことができるのかを分からない人が多いです。そのため、エンジニアやデザイナーがサービスの目指す世界観を理解し、サービスにどういう技術やデザインが必要かを考えたり、どのような機能、UX,、UIが必要か、さらには今後の拡張性などを積極的に提案したりしていく必要があります。そうすることで、ITを活用するからできる、エンジニアやデザイナーがいるからできる、素晴らしいサービスを作ることができます。このようにサービスに深く関わっていくので、時には、エンジニアやデザイナーが、サービス企画者が出してきた案にダメ出しをすることもあります。

「要件は何ですか?」「仕様書まだですか?」などと、受け身になっていては、よいサービスは作れません。システムだけでなく、自らサービスを作る当事者という意識が必要です。

ちょっと前倒しで仕事を進める

もちろん開発スケジュールは用意しますが、スケジュール通り開発を進めるというよりも、少し前倒しでアウトプットしていくことは大切です。IT活用が始まったばかりのHR領域では、どんなサービス・機能がよいかは作ってみないと分からないことが多いです。また、自分たちが欲しい、作りたいと思うサービスは、はじめは曖昧だったり抜け漏れが多かったりして仕様は固まっておらず、実際作っても思っていたのと違ったり、価値や効果を出せないことも多いです。つまり作っても改良項目や追加項目がどんどんでてきます。だから、作ってみて、確認するというサイクルを早く回して、目指すシステムに近づけていくことが大切です。

私の尊敬する中島聡さんの『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』にもありますが、前倒しですすめることで、実現可能性を早く見極めたり、まだ見ぬリスクを捉えたり、あるいは作り直しになるということも早く察知して、確実に計画を進めていけるようになります。

相手に理解してもらうコミュニケーション

プロジェクトを進める中で、「この機能は実装にどれくらいかかりますか?」「これって作れますか?」といった質問をたくさん受けます。エンジニアに対して説明するなら、「データベースの構造が・・・」「●●クラスを継承しているので・・・」といった専門用語を使って説明できるのですが、エンジニアではない同じプロジェクトの人や周囲の人には通じないことが多いです。そのような場合、相手の考えや理解度にあわせて説明することが求められますが、単に技術や仕組みをわかりやすく説明するだけでなく、「なぜこのような仕組みがよいのか」「今後こうしていきたいと考えているからこのような作りになっている」など、背景にある考えや他への影響、将来像などもあわせて説明することで、お互いの認識を合わせることができます。

サービス開発はプロジェクトで進めます。プロジェクトメンバがお互い何を考え、どのような活動をしているかを共有することで、開発をスムーズに進めていけますし、その結果よいサービスをつくることができると思います。

 

今回は以上の4つのポイントを挙げましたが、これ以外にもありますし、これらのポイントは、HR領域にかかわらず、多くのエンジニア、デザイナーにとっては重要なことだと思います。これらを意識して活動していくことで、プロジェクトメンバーや周囲からの「信頼」を得られ、エンジニアやデザイナーが必要不可欠な存在になり、ITを使うからこそ実現できる素晴らしいサービスを多く作っていけると思います。